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此処は二次創作ポケモン擬人化ブログです。                                    公式、関連の企業様とは一切関係ありません。 !人外/腐ネタ/年齢制限/その他もろもろ注意!
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(17日 10:00追記)
そういえば添える予定だった落書き忘れてたーっ!!
ので足しておきました。てへぺろ。

++++++

まさかまさかの後編。
前編をまだ読んでない方は真下の記事をご覧ください。
注意書きと雑なキャラ紹介もそちらに。

いきなり始まるよ!
(晩ご飯食べ終わって、余力があったら絵茶室にいます)

++++++





 
前編のワンシーンより落書き。
というわけで、さっそく本文にいきます!

+ + +




      《明後日、朝:某アパートの一室》
  うしお「 た ま こ さ ん の 料 理 が 食 べ た い(絶望顔
  ケモノ「なら持って行くな」(渡したばかりの弁当を奪い取る
  うしお「あーまたそうやって意地悪するー。
       そんなんだからたまこさん押入れから出てきてくれないんですよー」
  ケモノ「黙れ」
  うしお「ケモノさんの好みは押入れに引き篭もるタイプでーす」
  ケモノ「殺すぞ」(弁当を放り投げる
  うしお「おっとぉ!? ちょっと、大事に扱ってくださいよ!
       これのほとんど俺の給料ですからね!?」
  ケモノ「知らん。ほら、とっとと失せろ」
  うしお「へいへい。そちらはデート頑張ってくださいねぇ」
       (バタンッ)
  ケモノ「まったく、あの牛頭は・・・どこまでも礼儀のなってない・・・。
       やはりそろそろ教育が必要か」(居間に戻って朝食を取り始める
       (しーん・・・)
  ケモノ「あー、しまった。
       大飯ぐらいがいないのを忘れて、うっかり作りすぎてしまったわ」(棒
       (しーん・・・)
  ケモノ「・・・そろそろ出るか」(食べるのを途中で止めて身支度を整える
       (しーん・・・)
  ケモノ「・・・―――いつも吾が帰ってくるなどとは思わないことだ」


       (バタンッ)


      《“経済の町”東地区、バトル屋通り》
  ケモノ「あ゛ー・・・。
       (流石に早すぎた・・・あと3時間もあるではないか・・・。
       しかしあれではろくに息もできんし・・・クソッ!
        吾が何をしたというんだ!?)」(溜息
  ???「・・・――へっ? は? ・・・あ、あんた!!」
  ケモノ「あぁ?」(振り返る
    より「なんでこんな所にいるんだよ!?」
  ケモノ「! そうか、そういえばバトル屋通りだったな・・・」
    より「質問に答えろって!」
  ケモノ「あー煩い。朝っぱらからギャンギャン喚くな、傭兵。
      ただの気まぐれで散歩しているだけだ」
    より「・・・本当か?」
  ケモノ「判断は任せる」
    より「・・・わかった、一先ずそれで呑み込んでおくよ。
       てか傭兵って呼ぶなよな? 俺らはフリーランスのバトル屋」
  ケモノ「払い師以外のバトル屋など傭兵のようなものだろう。
       そうだ、せっかくだから今から出向いてやろう。仕事はないがな」
    より「悪いけどうち、冷やかしはNGなんで。しかも営業時間前だし」
  ケモノ「ではあの低級異形に邪気操作でも教えてやろう。それなら文句はあるまい?」
    より「え、誰?」
  ケモノ「隻眼のゾンビがいただろう。名前は知らん」
    より「・・・頼むからそれ、本人には言わないでくれよ」(汗
  ケモノ「そういう事は言わせないようにするものだ。
       ・・・―――む?」(路地を振り返る
    より「なんだ、朝っぱらから騒がしいな?
       ここに大物がいるとも知らずに・・・」(ケモノを置いて路地に入っていく


ドクロッグ「おいおい、そんなに怖がるこたぁねぇだろ?
       俺たちはあくまでも紳士的に口説いてんだぜ?」(顔に刺青
    マコ「あう・・・その・・・えっとぉ・・・」(涙目
アーボック「大人しく付いて来てくれるなら、俺たちも乱暴はしない。
       全部はお嬢ちゃんの出方次第だ」(こちらも顔に刺青
    より「おい、お前ら!」
 コンビ「!」
   より「(毒タイプコンビで、顔に対の刺青・・・賞金稼ぎのチームだったな)
       賞金稼ぎともあろうものが、朝っぱらからナンパかよ?
       その子嫌がってるじゃねえか」(睨
ドクロッグ「誰だテメェ?」
    より「なんでネスとカナバシは分かって、俺は分かんないんだよ!?」
アーボック「ネスとカナバシ? そうか、どこかで見たと思ったら“黒き夢”の・・・。
       どうする、面倒なことになったぞ」
ドクロッグ「あのチームで怖いのはリーダーと異形どもだ。
       2対1なら問題ねえ」(構える
    より「言ってくれるじゃねぇか」(此方もシャドークロー準備
       (がしっ)
    より「へ?」(後ろから襟首を掴まれた
  ケモノ「・・・・・・」
ドクロッグ「あん?」
    マコ「りゅ――・・・」
  ケモノ「黙れ。どいつも喋るな」
    より「なんだよ、なんで邪魔すんだよ!?
       アンタには――・・・うわっ!?」(放り投げられる
ドクロッグ「今度こそ見ない顔だな? まさかテメェが俺らとやろうってのか?」
アーボック「此方もそいつも戦闘のプロだ。素人は下がってるんだな」
  ケモノ「・・・・・・」(無視して真っ直ぐ向かってくる
アーボック「・・・おい、どうする?
       見たところ種族はサザンドラのようだが」(隣にだけ聞こえるように
ドクロッグ「悪タイプなら俺の得意分野だ。邪魔する気ならぶちのめす」
アーボック「だよな」
  ケモノ「・・・・・・」(あと5mくらい
ドクロッグ「・・・―――は?」
アーボック「なっ・・・」
  ケモノ「ほら、行くぞ」(2人組を無視してマコのところまで歩いてきた
    マコ「え、え・・・えぇ・・・!?」
アーボック「ッ・・・―――ナメてんじゃねぇぞコラァ!!」(アイアンテール
       (ズガンッ)
    マコ「きゃっ!?」(ケモノに突き飛ばされて尻餅をつく
アーボック「がっ!」(首を掴まれる
  ケモノ「これでも朝っぱらから腸が煮えくり返っていてなァ?
       ちょうどストレス発散したかったところだ」(手に力を込める
アーボック「あがっ・・・」
    より「おい、あんまり―――・・・危ないッ!!」
ドクロッグ「もらったぁ!」(ばくれつパンチ
  ケモノ「!」
       (ズドンッ)
    マコ「きゃああああっ!?」
ドクロッグ「よしっ! ・・・―――は?」
  ケモノ「・・・ッ・・・痒いなァ?」(ニヤリ
ドクロッグ「!? (化け物かよコイツ・・・!)」
  ケモノ「お返しだ」
ドクロッグ「ひっ―――・・・うわあああっ!?」(パンチを繰り出した方の手首を噛まれる
       (ぐしゅっ・・・みしみしっ・・・)
ドクロッグ「ひいぃぃ!? ば、化け物ぉ!!」
    マコ「リュウジさんっ!!」
       (がばっ)
  ケモノ「!」
    マコ「・・・ダメです・・・それ以上は、ダメ・・・っ!」
  ケモノ「・・・・・・チッ」(口を離す


       (ザパアッ)


  ケモノ「ぶっ! ・・・・・・は?」(突然飛んできた水の塊でびしょ濡れ
    マコ「ひゃあ!?」
    より「今のは“ハイドロポンプ”? まさか―――・・・」


  きらき「こぉぉぉぉらぁぁぁぁっ!!」(怒


   より「やっぱり・・・」(ぐったり
  ケモノ「ぁあ?」
  きらき「此処でトラブルはダメだって何度言ったらわかるのさ!?
       そんなんだから東地区は北地区の次に危ないとか言われるんだよ!」
  ケモノ「・・・どこの餓鬼だ」(睨
  きらき「それはこっちの台詞っ!
       そいつと一緒なところから考えて、ネスの知り合いみたいだけど?」
    より「俺も最近知り合ったばっかなんで紹介できないな。
       てか、賞金稼ぎのテリトリーはもうちょっと向こうだろ?」
  きらき「正義にも悪にもテリトリーなんか関係ないだろ。
       治安改善は僕の趣味なの」
    より「へー初耳だなー」
    マコ「ちょっとあなた、謝ってくださいよ・・・!」(ハンカチを出しながら
  きらき「なんで?」
    マコ「な、なんでじゃないでしょ!?
       リュウジさんは私を――・・・ひゃっ!?」(襟首を掴まれる
  ケモノ「余計なことを言うな、行くぞ。
       おい傭兵。後始末は任せたからな」(返事も待たずに路地に消えていく
   より「あーはいはーい。
       ・・・―――リュウジ、か。
       告げ口するべきなんだろうけど・・・なぁ」(溜息
  きらき「?」


 


      《昼前:旧市街“廃屋通り”》
  ケモノ「クソッ・・・あの餓鬼よくもこの俺様に・・・」(ジャージの上を脱いで水を絞る
    マコ「あの、リュウジさん・・・大丈夫ですか・・・?」
  ケモノ「大丈夫に見えるかこれが。
       ただでさえ首が痛いのに、急に冷えてきやがって最悪の気分だ」
    マコ「ご、ごめんなさい・・・私のせいで・・・」(しょぼ
  ケモノ「今回ばかりは構わんとも言えん。
       ・・・―――お前、俺が“異形”だと気付いていたな?」
    マコ「! ・・・はい」
  ケモノ「いつ気付いた?」
    マコ「最初に会った時から・・・なんとなく、ですけど・・・」
  ケモノ「・・・そうか」
    マコ「・・・・・・」(俯く
  ケモノ「何故逃げない?」
    マコ「へ?」
  ケモノ「お前は怪物とデートしていたのだぞ。そして今も、そいつと2人きりだ。
       しかも周囲に人気はない・・・これが恐ろしくないとでも言うのか?」
    マコ「・・・だって・・・リュウジさんは・・・私を助けてくれたから・・・」
  ケモノ「・・・フンッ。どうなっても知らんぞ―――・・・ッ!」(たまらずクシャミ
    マコ「!」
  ケモノ「んの野朗・・・次見かけたら容赦は・・・!」(鼻をすする
    マコ「あ、そ、そうだ!」
  ケモノ「?」
    マコ「リュウジさん、ちょっと付いて来てください。
       で、デートしましょう!」
  ケモノ「はぁ? まあ、最初からそのつもりだが・・・」(帰りたくても帰れない
    マコ「それじゃあ行きましょう・・・! ほら、早く・・・!」(手を繋いで駆け出す
  ケモノ「ちょ、待て! だから低すぎると言っただろうが!?」


      《昼下がり:旧市街、とある服屋》
  ケモノ「いい加減に腹が減った」(ぶっすー
    マコ「待ってください。もうちょっとで決まりますから・・・」
  ケモノ「その言葉は聞き飽きた。
       だいたい、なんで俺が着せ替え人形にされているのだ?」
    マコ「だって濡れたままにはできないし・・・そ、それに似合ってますよ・・・!」
  ケモノ「好かん」
    マコ「あう、またそうやって・・・
       リュウジさんのサイズだと探すのも一苦労なのに・・・」
  ケモノ「好かんものは好かん」
    マコ「はぁ・・・―――あ」(何かに気付く
  ケモノ「どうした?」
    マコ「ちょ、ちょっと座ってください」(近くの椅子をぽんぽん叩く
  ケモノ「?」
    マコ「えへへ・・・えいっ!」(ケモノの前髪を下ろす
  ケモノ「!」
    マコ「どうですか? これなら文句なしだと思うんですけど・・・」
  ケモノ「尚のこと好かん!」(ぐいっと戻す
    マコ「えぇー!? どうしてですか、せっかく格好良いのに・・・!」
  ケモノ「ほーう、いつもは酷い身形だと言いたいのか」
    マコ「そういう事じゃなくって・・・今日は濡れちゃったから上げられないでしょ・・・?
       だから下ろした方が良いと思って・・・」(言いながらちゃっかり下ろす
   店員「あらぁ良いんじゃな~い? さっきより若者らしいわよぉ」
  ケモノ「余計なお世話だ・・・―――っ」(上げようとして手を止める
    マコ「どうかしました?」
  ケモノ「・・・なんでもない。
       (痺れが残っている? “ばくれつパンチ”の入りどころが悪かったか・・・)」
    マコ「それじゃあ、これ全部お願いします」
   店員「はいはぁ~い♪」(電卓を取り出す
  ケモノ「は? あ、おい待て!」
    マコ「ダメです。もうそれって決めちゃいましたから」(代金を支払いながら
  ケモノ「ならせめて金は・・・!」
    マコ「それもダメです。えへへ・・・」(てれてれ
  ケモノ「・・・~っ!」
    マコ「だから、今日も私の行きたい所、したい事に付き合ってくださいね?
       まずはお昼を食べて、お買い物して・・・そうだ!
       せっかくだから私のお家にも行きましょ、スイーツでも買って!」
  ケモノ「・・・ああもう、勝手にしろ!」


 +


      《夕方:某アパートの一室》
       (すっ・・・)
  たまこ「・・・お腹すいた」(スナック菓子の空き袋を持って押入れから出てくる
       (ぱたんっ)
  たまこ「(食べっぱなし・・・せめてお皿くらい下げれば良いのに・・・)
       ・・・知らないもん」(朝食の残りを無視してゴミを捨てる
       (コツンッ)
  たまこ「?」


 +


      《一方その頃:“経済の町”西地区某所》
  ケモノ「おい、そろそろ日が暮れるぞ。家に案内するのではなかったか」
    マコ「はいっ! 今から帰ります!」
  ケモノ「日が暮れてから男を招き入れるのはどうかと思うぞ」
    マコ「なんでですか?」(きょとん
  ケモノ「・・・とぼけているのか? それとも本気なのか?」
    マコ「?」
  ケモノ「まあいい。あいつの口ぶりからして北西らしいが、近いのか?」
    マコ「ええ! 歩いて20分しないですっ!」
  ケモノ「・・・それを近いとは言わん」


      《30分後》
    マコ「迷いました・・・」
  ケモノ「・・・・・・」


      《更に30分後》
    マコ「え、えへへへ・・・」(まだ迷ってる
  ケモノ「・・・・・・」


      《更に更に30分後》
  ケモノ「完全に日が暮れたではないかッ!!」(怒
    マコ「ごめんなさいごめんなさいっ!
       でも本当に、今度こそ、あとちょっとですから・・・っ!」
  ケモノ「その台詞はもう六度も聞いた」
    マコ「本当です! 本当に、ほんっっっとうですから・・・!」
  ケモノ「まったく・・・なあ」
    マコ「はい?」
  ケモノ「お前―――・・・ッ!?」(殺気に気が付き左腕で顔を庇う


       (ぐしゅッ)


  ケモノ「っ・・・クソッ!」(左腕を“何か”に噛まれ振り払う
    マコ「あっ・・・!」


 クチート「・・・――お手柄だぞ、“ドライアド”。
       まさかこんなに早く釣り上げてくるとはな」(“何か”を左腕から吸収する


  ケモノ「(異形、それも双頭のトロールか・・・雑魚という程ではないな。
       しかし、その前に・・・)
       ・・・――ドライアド、か・・・やはりな」
    マコ「!」(ビクッ
 クチート「まるで気付いていたような口ぶりだな?
        なら何故、こんな所までのこのこと付いて来た?」
  ケモノ「初めはただの気まぐれだ」
 クチート「なら今は?」
  ケモノ「汝なのだろう? 吾が眷属の獲物を、
       姑息にも盗んだという輩は」(前髪をかき上げる
 クチート「! そうか、あの時のミノタウロスの・・・ガッハッハッ!!
        大物かと思ったが、とんだ見かけ倒しだったな!
        これではもう少し働いてもらわねばならんようだ!」
  ケモノ「軽口はそれくらいにしておけ。今から徹底的に叩きのめされるのだ。
        後で惨めな思いをしても知らんぞ」
 クチート「軽口はどちらだかな!」(左腕を切り落とすと、形を変えて襲いかかる
  ケモノ「(なるほど、そこから動く気はないというわけか・・・)
         それなら―――・・・なっ!?」(身体が痺れて上手く動かない
    マコ「リュウジさんっ! ・・・お、お願い、止めてくださいっ!
        食べるのはあの人じゃなくても良いでしょう!?」
 クチート「いいや、あいつでなければ駄目だ。
        最強の妖精である俺に喧嘩を売ったのだからな。
        それにお前のことを知られた以上、生かして返すわけにはいかん」
    マコ「そんな・・・!」
 クチート「そうだドライアド、特別に止めはお前にくれてやろう」
    マコ「!」
 クチート「いくら異形とはいえ、タイプの相性には逆らえないからな。
       弱点中の弱点をもろに受ければひとたまりもないだろう・・・」(クックック
    マコ「・・・できません」
 クチート「なんだ、怖いのか? それだったら・・・」(ふいっと手を上げる
    マコ「や、やめてっ!」
       (ブチッ)
  ケモノ「がッ・・・ぐわああぁああああああッ!!」(右腕を噛み千切られ転がる
    マコ「あ・・・ああっ・・・」
 クチート「やれ、ドライアド。お前の手で終わりにしてやるんだ」
    マコ「っ・・・―――できません!」
 クチート「・・・・・・そうか。
        ならば仕方がないな」(誰もいない方に向き直る。視線の先には若木が
  ケモノ「!」
    マコ「あ、いやっ・・・!」
 クチート「嫌もなにも、お前が選らんだことだろうが!」(木に“たたきつける”


       (がしっ)


 クチート「は・・・―――なっ!?」(自分の腕を掴んでいる“右腕”に気付いて
  ケモノ「ほう、これがそいつの本体か。
        分体と同じで小さすぎて、自力では見つけられなかったわ」
 クチート「(七本角に・・・六匹の黒蛇・・・!?)
        まさか、貴様は・・・っ!」
  ケモノ「流石に傷から湧く異形まで見せ付けて、名乗らぬわけにはいかんか。
       ・・・――吾は“邪竜王”ケモノ。
       イッシュ遺跡最古にして、最強の異形なり!」(右掌の口で噛み付く
 クチート「いっ!?」
  ケモノ「なんだ、吾より芝居が上手いようではないか?
       空気を読んで痛がったフリをしてやったのだが、これでは吾が惨めだ。
       どうしてくれる?」(言いながら噛む力を強める
       (みしみしッ・・・)
 クチート「ぃぐっ!!」
    マコ「なん、で・・・どうして傷が塞がらないの・・・?
        トロールには再生能力が・・・」
  ケモノ「簡単なことだ。こいつの邪気を吾が吸い上げ、力を落としている。
        吾に捕まった瞬間、汝は死んだのだ」
 クチート「ひっ・・・た、助けてくれ・・・なんでもしますから・・・!」
  ケモノ「安心しろ。邪気を急激に吸われれば、苦しみもなく逝ける」
 クチート「・・・・・・っ」


  ケモノ「汝は苦しめて殺すがな」


     「ひッ――・・・うがあああぁあっっ!! ああぁあぁあぁああっ!!!」


     「ククッ・・・カハハッ! カーッハハハハハハッ!!」


 


 


    マコ「・・・――リュウジさん」
  ケモノ「その名は止めろ。もうケモノで良い」
    マコ「・・・ケモノさんも、私が異形だって気付いてたんですね」
  ケモノ「ああ。喫茶店で声をかけた時には、もう気付いていた」
    マコ「じゃあ、どうして付き合ってくれたんですか・・・?
       私が男の人に付き纏われてるっていうのも・・・
       嘘だって気付いてたんですよね・・・?」
  ケモノ「金の為だ」
    マコ「・・・本当に、それだけですか?」
  ケモノ「まあ、途中からは暇つぶしだったがな」
    マコ「・・・・・・」
  ケモノ「そんな事より、早くここを離れるぞ。
       いつバトル屋が駆けつけても可笑しくはないからな」(荷物を拾う
    マコ「・・・・・・」
  ケモノ「おい、聞いてるのか?」
    マコ「・・・初めてだったんです」
  ケモノ「?」
    マコ「私のこと、可愛いって言わなかった人、ケモノさんが初めてだったんです。
       お世辞でも本音でも、皆・・・私には可愛いってばかり言いましたから・・・。
       むしろ“レプラコーン”なんて言われて・・・女の子に、酷いですよ?
       でも・・・すごく嬉しかったです・・・」
  ケモノ「・・・何を言うつもりだ?」
    マコ「・・・初恋、です」
  ケモノ「・・・・・・」
    マコ「恋しちゃったんです、私。ケモノさんに。
       可笑しいですよね? 初恋が怪物になってからで、
       それも自分以上の怪物に恋するなんて・・・笑っちゃいます・・・」
  ケモノ「・・・やめろ」
    マコ「だから、そんなケモノさんに・・・最後のお願いです・・・。
       ・・・―――私も殺してください。めいっぱい苦しめて、殺してください」
  ケモノ「・・・・・・」
    マコ「もう、目的もないくせに、誰かを苗床にして生きるのは沢山なんです。
       地面に繋がれて、死体を肥料に生きていたくはないんです・・・
       悲劇のヒロインはもう辞めたいんです!
       だから最後に、悪魔みたいに・・・魔女みたいに・・・死なせてください・・・」
  ケモノ「・・・ふざけるな。誰が汝の望みなど叶えてやるものか」
    マコ「・・・・・・」
  ケモノ「苦しみなどくれてやらん。早急に殺してやる」


      「・・・―――そういう残酷なところも、ホントに好き」


 


 


      《夜:某アパート前》
  ケモノ「・・・・・・ん?」(玄関の前に誰かが立っているのを見つける
  たまこ「・・・おかえりなさい」
  ケモノ「なんだ、思ったより早く出てきたな。
       すこし出て来すぎなようだが」
  たまこ「私だってもう少し拗ねてる予定でしたよ。
       でも・・・」(イヤリングを着けた耳を見せる
  ケモノ「!」
  たまこ「こんなもの見つけてしまったら、許すしかないでしょう」
  ケモノ「・・・―――どいつもこいつも」
  たまこ「リュウジさん?」


       (がばっ)


  たまこ「!?」
  ケモノ「・・・すこし、疲れた。休ませろ」
  たまこ「・・・かしこまりました」


 

+ + + 


      《翌日、昼時》
  うしお『やりましたよ、たまこさん! 
       俺ついにバイトから正規雇用に昇格ですよ!』(電話
  たまこ「凄いじゃないですか、偉い偉い。
       今日はお赤飯にしましょうね」
  うしお『うおおおっ! ありがとう御座います、午後も頑張って働きます!』
       (チリンッ)
  たまこ「竜王さま、うしおが正規雇用に昇格したそうです。
       これで来月からは問題なさそうですね」
  ケモノ「ほう、あいつもたまには役に立つのだな」(コーヒーを飲みながら

       (ピンポーンッ)

  たまこ「あ、はい。・・・リュウジさん」(隅に下がるようジェスチャー
  ケモノ「・・・・・・」(無言で移動
       (ガチャッ)
   大家「やあ、たまこちゃん。こんにちは」
  たまこ「ああ、大家さんでしたか。どうかしましたか?」
   大家「いやなに、今日は昨日までの件のお礼を言いにね。
       それからお客さんが来てるんだよ」
  たまこ「お客さん?」(大家の後ろを覗き込む


    マコ「リュウジさんっ!」


  ケモノ「ぶっ!!!!」(コーヒーを噴出す
  たまこ「・・・・・・」(唖然
   大家「聞いたよ、リュウジさん。
       彼氏代理どころか解決までしてくれたんだってね?
       見かけと暮らしぶりによらず、良い所あるじゃないか」
  ケモノ「ちょ、ちょっ・・・ちょっと待て! いいから待て!!
       お前たしかに昨日・・・!」
   マコ「なんでなんでしょう? 今朝、朝日と一緒に目が覚めて・・・。
       あ、でも今はもう死のうなんて考えてませんからね!
       あれから植木鉢に移してもらって、晴れて自由の身ですよ」
   大家「これがマコちゃんの本体なんだってね。
       いやぁ本当にありがとう!」(足下に置いていた鉢を拾い上げる
  ケモノ「・・・―――知っていたのだな」(がっくり
   大家「それはマコちゃんのことかい? それとも君たちのこと?」
  ケモノ「両方だ」
    マコ「それじゃあ、お邪魔しますっ!」
   大家「おっと、そうだね。玄関先でする話でもないし・・・どっこいしょ」
       (バタンッ)
  ケモノ「あ、おい勝手に上がるな! たまこ、つまみ出せ!」
  たまこ「・・・・・・」
    マコ「あなたがケモノさんの本当の彼女さん?」
  たまこ「いいえ、娘です」
   マコ「そうなんだ! 可愛いねっ!」(にこにこ
  ケモノ「おいだから出て行けと言っているだろう!?
       吾が城には眷族以外の異形は入れん決まりだ!」
    マコ「じゃあ、私も眷族にしてください! こう見えて結構強いんですよ?」
  ケモノ「それだけは断るッ!!」
    マコ「私みたいに可愛い子がいれば、眷属もいっぱい増えますよ?」
  ケモノ「誰が可愛いものか、鏡でも持って出直せ!」
    マコ「そう言ってくれるところが大好きっ!」
  たまこ「・・・―――しばらく騒々しくなりそうですね」
   大家「じゃあ私とお茶にでも行くかい?」
  たまこ「お断りです」


 


+ + + + + +

 後書きというより言い訳

お疲れ様でした。長い!わかってたけど、長くなる!!なんでだ!!!
まあともかく、そんなこんなで魔王組に仲間が増えましたってお話です。
他のところにもちょいちょい増えます。
でもまだ練れてないよ!カロス組難しすぎだよ!!(爆笑

ちなみにうしおが言ってた「ケモノの好みは押入れに引き篭もる~」はこれより前の話と絡んでいるのですが、そっちは公開するか考え中。
だって公開したら後悔しそうな内容なんだもの・・・。


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