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腹痛に付き合ってこれ打ってたらこんな時間だよ、おはよう御座います!
下にも通常記事がありますので、お暇でしたらそちらもご覧ください。 今回はついにきました、人外こと“異形”について!+邪気と妖気。 他の世界観記事にもちらほら書いてありますが、今回はより詳しい説明を。 今回は人型種についてと同じように、報告書風に書いてみました。 画像はないので携帯閲覧でも大丈夫ですが、とても長くなってしまったので、そこだけどうかご注意を。 本文は追記から! ↓まずは若干メタい用語説明から↓ 悪しき念:妖気と邪気、両方を指して言う言葉。一般的には妖気、邪気と別々に呼ぶ。 妖気:反転世界で歪を浄化した際に発生する。 現実世界に染み出すと空間が反転世界に近づいてしまう。目に見えない。 邪気:妖気に負の感情が混ざったもの。 生物になんらかの悪影響を与える。(精神障害、原因不明の疫病、天変地異等) 基本的には見えないが、濃くなると黒い靄のようなものが目視できるようになる。 目視できる状態になった邪気は「瘴気」と呼ばれる。 上記の三項については【世界観設定】も参照。 また、異形についての簡易設定は【設定系カテゴリー説明】にも。 -------------------------悪しき念のはじまり------------------------- 島に悪しき念が初めて生じたのは、ミュウがすべての種族に人の姿を与えた時だと言われている。 平穏だった島に生じたそれらのほとんどが妖気であり、島に暮らすポケモンの大半(※1)は、その存在に気づきもしなかった。 ごく稀に不思議な力を持ったポケモンが生まれたが、それでも彼らは妖気を認識することはなかった。 それから時は流れ、第一上陸でやってきたニンゲンの末裔が、老衰により息をひきとった。 苦楽を共にした友との別れに、島中のポケモンが悲しんだ。 人型種はニンゲンたちを見よう見真似で葬儀を挙げ、原種は彼の冥福を祈るよう、三日三晩、天に吠え続けたという。 最初の邪気は、この時の悲しみが、妖気と混ざり合って生まれたと言われている。 この時発生した邪気はすぐに異形を生んだとされているが、島最初の異形については詳細な記録が残されていない その為、歴史書によって彼、あるいは彼女の伝承は異なっている。 唯一共通しているのは、彼を“楽園の原罪”と呼んでいる点のみである。 ※1 アルセウスはこの事に気づき、ギラティナに反転世界の管理を命じた。 ギラティナは命令のまま反転世界に赴くが、 紫の霧に包まれた反転世界を浄化しきる事はできず、現在も島に戻っていない。 --------------------------異形種のはじまり-------------------------- 先述したとおり、島最初の異形は“楽園の原罪”と呼ばれている。 一説によれば、その異形は島に原因不明の病魔を振りまき、異常気象による大干ばつを引き起こしたと言われている。 また、島内で有名なお伽噺には、ポケモン達をそそのかして争わせる異形が出てくるものがある。このお伽噺は島で争いが増え、果ては“邪血狩り”に辿り着くまでを描いたものだする説がある。(※1) この説を提唱する者の大半は、ポケモン達をそそのかした異形を“楽園の原罪”としている。 “楽園の原罪”は病魔と共に、ポケモン達に恐怖や焦燥、嫉妬など、負の感情をばら撒いた。 これにより島には邪気がじわじわと増えてゆき、そこから7体の異形が生れ落ちたという。 彼らは不死に近い生命力を有しており、その為、人々は彼らの心臓を切り取って、どこかの遺跡に封印したという。(※2) ※1 ただし大半の歴史学者は、この説を否定している。 島で争いが増えたのは第二上陸の直後であり、 邪血狩りまで200年近く間が空く為である。 また、このお伽噺に登場する異形を“楽園の原罪”とする説には、尚否定的である。 ※2 この心臓は強大な力を与えると言われ、上陸暦910年、何者かが持ち去った。 ------------------------現代における悪しき念------------------------ 現在、本土では妖気はそれほど恐れられていない。 そもそも現代において純粋な妖気は珍しく、恐れる以前の問題なのである。 しかし邪気は今も尚、人型種原種問わず、忌避されている。(※1) 特に胎児から齢15に満たない子供は異形化のリスクが高く、妊婦や子供には特に避けられている。 また心の弱い者、病に侵されている者、死に瀕している者も異形化しやすいと言われている。 負の感情により膨れる邪気は、特に島の東側に多い。 その為、子供を授かってすぐ西側に移り住むという者もいる。 異形化には「先天的異形化」と「後天的異形化」の2種類ある。 先天的異形化とはその名の通り、生まれた時から異形として生を授かることである。後述する異形の母系遺伝もこれに含まれる。 先天的異形化の多くは死者の魂と悪しき念が絡み合いって発生する。また、決まって人気のない時、場所で起こる。 これにより、生まれた異形は気が付けばそこにいたという形となる。(※2) どのようにして異形が生まれるか様々な憶測が飛び交っているが、未だ先天的異形化による異形の誕生を見届けた者はない。 後天的異形化は、一定以上の邪気が身体に溜まることで起こる。 これは邪気による現象の為、後述する「妖気型異形」は生まれない。 邪気の許容量は個人差によるところが大きく、計測には専門の知識と技術が必要。(※3) 後天的異形化はポケモンの進化とも様相が異なり、多くは大量の邪気をまき散らしながら、徐々に肉体を変化させる。 変態する過程は個体によって様々。また、変化が完了するまでの時間も異なる。(※4) 一部始終を記録した学者はその様子を、「生々しく、悍ましい、この世で最も醜悪な現象」と言い表した。 島に満ちる邪気を、反転世界に負担を強いずに浄化する方法がある。 シェイミによる負の感情の浄化である。 アルセウスの加護を受けたこの島のシェイミは、負の感情を花に変えることで浄化する力を持っている。 これは妖気と混ざり合い、邪気となったものにも有効。 ただし、生物の身体に染み入った邪気は浄化できない為、異形の浄化はできない。 しかし近年発見された「破邪」と呼ばれる特殊能力はこれに限らない。詳しくは後述する。 ※1 それでも昔と比べれば、本土の住民は邪気を恐れていない。 理由は打開策を見つけたからというより、単純に慣れてしまった。 ※2 ある学者が捕らえた異形に尋ねたところ、 先天的異形化により生まれた異形は皆こう答えたという。 ※3 ただし専門家と偽ってこれを行う詐欺師もいる。 当然ながら、適切な診断結果は得られない。 ※4 短いものは数十秒、長いものは数日かかる。 --------------------------現代における異形-------------------------- 古くは異形を「異形種」と呼んでいたが、現在この言葉を使うものは稀である。 大半の者は「異形」とのみ呼び、大抵は恐怖と忌避の対象となる。 彼ら異形は特別な能力を持っていることが多い。総じて「異能力」と呼ばれるが、その特徴は個体ごとに異なる。 また、現代において異形は3種類に分けられる。(※1) 一つは「妖気型異形」であり、妖気より生まれた、比較的害の少ない異形である。(※2) 妖気より生まれた彼らの容姿とメンタリティは人型種のそれとほぼ変わらず、生命力もやや体が丈夫という程度である。 異能力は他の異形同様持ち合わせているが、現在確認されているものは加害性が低いもののみ。 この為、異形や妖気の知識を一定以上持ち合わせている者には、妖気型異形は他の人型種と同等に扱われる。 近年では妖気型異形の殺傷を禁ずることも検討されている。 また妖気型異形は異形の中で最も数が少ない。 余談だが、島の西側には彼らの集落があるという噂が、実しやかに囁かれている。(※3) 残る二つは、邪気から生まれた異形のことである。それぞれ「獣型異形」と「人型異形」と呼ばれる。 どちらも加害性の高い異能力を持ち、メンタリティも原種や人型種とはかけ離れている。 詳しくは次項を参照。 また、異形は個体によっては不可思議な習性を持つ。 これは邪気生まれ、妖気生まれ、人型、獣型の区別なく生まれ持つ。 個体によって程度は異なるが、大抵は非合理的で、健全な思考では理解し難い。 しかし彼らにすればそれは食欲などの基本的欲求と変わりないものであり、たとえ弱点となりえたとしても、止めることはできないようだ。 ※1 上陸暦1200年(およそ300年前)、邪血狩りが衰退するまで、 異形の分類は現在で言うところの「獣型異形」と「人型異形」のみであった。 ※2 単純に「妖気生まれの異形」とも言う。 ※3 ただし現段階では噂の域を出ていない。 知識の浅い者には妖気型異形も忌避されている為、 人型種の集落と偽っている可能性も考えられる。 -------------------------獣型異形と人型異形------------------------- 島内で最も多い異形といえば、「獣型異形」で間違いないだろう。 獣型というが、その姿形は個体ごとに異なり、一部は獣とも呼び難い姿をしている。(※1) 彼らは例外なく邪気から生まれ、凶暴性が高い。 元になった種族にもよるが、ほとんどが肉食性で、人も襲う。ただし腹具合によらずとも、大抵の場合は襲い掛かってくる。 とはいっても知能が低いため、知恵を絞れば戦闘経験の浅い者でも対処が可能。技をいくつか忘れているので、異能力に気を付ければ倒すこともできるだろう。 獣型異形に対し、人に近い姿をもった邪気生まれの異形を「人型異形」と呼ぶ。 彼らは獣型異形の上位種ともいうべき存在であり、高い知能と並はずれた生命力、凶悪な異能力を持ち合わせている。 原種や人型種を下等な存在と見下し、己が享楽のために虐げる者も少なくはない。 基本的には雑食だが、一定量を超えた邪気を内包する人型異形は、肉のみでも生きられる。(※2) 獣型異形の元となる魂は原種、人型種を問わない。 元となった種族によって姿や能力は変わるが、人型種が転じたとしても、種族以外の面影をなくして異形化する。 この際、異形化前の記憶は完全に失われ、知能が著しく低下する。 言語も忘れているようで、意思の疎通が図れたという報告は未だない。 また、後天的異形化により獣型異形に転じたという報告もない。 生殖活動による獣型異形の誕生も確認されておらず、現在は先天的異形化でのみ転ずるという考え方が一般的。 対して、人型異形は人型種のみが転じるといわれている。 個体によって程度は異なるが、異形化前の記憶が一部(あるいは全て)欠落するも、種族は変わらず、容貌もその面影を残す。(※3) ほとんど知能の低下はみられず、言語による意思の疎通は可能。ただし倫理観の相違により、友好な関係を築けない場合がほとんどである。 人型異形は先天的異形化、後天的異形化の両方で生まれる可能性がある。 また、異形同士あるいは人型種との生殖交配も確認されている。(※4) 大抵の場合、異形と交わって生まれた子供は、通常の人型種か異形かに問わず、肌の色に特徴が出る。 この肌の色は遺伝し、最低でも4世代先まで残る。(※5) 邪気から生まれた異形は周囲に邪気を発する。 量や濃度は個体によって異なるが、強力な異形ほどその量は増える。 異形が発する邪気は、断末魔にこそ量も濃度も最高潮へ達する。 これにより邪気から生まれた異形の討伐は後天的異形化のリスクが高く、バトル屋も異形退治の専門家でなければ請けたがらない。 普通の人型種と同じよな生活をしている人型異形は、発散する邪気の量を微量に抑えられる。 しかし異能力を使えば、その能力の加害性に応じ、相応量を発することとなる。 また、一定以上の力を持った異形は、自らが発する邪気の量をコントロールできるようになるという。 ※1 簡潔に述べれば、ファンタジー世界における魔物のような姿をしている。 ようは「人型異形」ではない者たちを指した言葉。 ※2 そうなった異形の大半は、定期的に人型種の肉を口にしないと、 力、あるいは生命を維持できない。 ※3 ただし異形化と共に進化することはある。 また、容姿も全く変化がないわけではない。 ※4 原種や人型種同様、生殖による交配はタマゴグループの一致が条件となる。 異形は種族同様、母系遺伝する。 ※5 これにより異形であることが発覚したという事例もある。 また、異形を父に持つものは稀に、人型種でありながら不思議な力が備わる。 この能力は「異能力」と呼ばず、「特殊能力」と呼ばれる。 --------------------------半妖という存在-------------------------- 半妖とは、先述した「妖気型異形」のなり損ないともいうべき存在である。 彼らは体内に少量の妖気を含むものの、生命力は通常の人型種と同等で、また異能力を生まれ持たない。 ただし後述するが、とある方法で異形として覚醒することは可能である。 当然ながら、特殊な教育が施されでもしない限り、半妖のメンタリティは人型種と相違ないものである。 発生原因がいまだ解明されていないが、現在確認されている半妖は両親のどちらかが異形で、もう一方は人型種である。 ただし半妖の兄弟姉妹には完全な妖気型異形、あるいは人型種も多く存在する。その確率は完全なものが8割、半妖が2割といったところのようだ。 彼ら半妖は人外をおもわせる容姿を生まれ持ってさえいなければ、その生まれを看破されることはほとんどない。 よって、人型種の社会で生きることも十分に可能である。 むしろ弱肉強食の異形たちの世界で生きるより、人型種の社会にまじり、いずれ完全な人となることを求める者も多い。 しかしそんな彼らの特性を欲し、懐柔し利用しようと企む異形も存在する。 また、半妖は人喰いを行うことで「人型異形」として覚醒することができる。 そんな彼らに恐れを抱く者も少なくはないため、やはり異形同様、その正体を明かすことは非常にリスクが高い。 近年になって、「破邪」と呼ばれる能力を持つ者たちが、ごく少数ながら確認された。-------------------------破邪と呼ばれるもの------------------------- 破邪はその名のとおり、邪気を浄化する能力である。 これはシェイミの能力とは異なり、効果は小規模にとどまるが、生物の身体に取り込まれているものにも有効である。 この能力を有する者のことを、能力と同じく「破邪」と呼ぶ。(※1) 彼ら破邪は、その特殊能力以外は他の人型種と変わらない。 しかし肝心の能力についての研究は進んでおらず、ほとんどが未知のままである。 現在確認されている事は「生物の身体取り込まれた邪気にも有効である事」、「後天的に発現する可能性がある事」のみである。 能力を使用することで肉体へ負担はあるのか、どのような条件で発現するのか、破邪の能力が遺伝することはあるか等、まだまだ疑問は尽きない。 破邪の研究をしようにも能力者は極めて稀であり、彼らを見つけるだけでも相当な時間と労力を要する。(※2.3) 破邪の能力により浄化された邪気は完全に消滅する。後には負の感情も妖気も残らない。 確認されている限りでは、一度に浄化できる邪気の最大は邪気のみで半径5メートル内の空間を。肉体に取り込まれている場合は、接触した状態の人一人分を浄化できる。 また使い慣れていれば、一つの異能力のみを解除、身体の一部のみ邪気を浄化ということもできる。 完全に使いこなせば邪気から負の感情と妖気を分解するということも可能だという。 理論上、負の感情と妖気を分解して負の感情のみを浄化すれば、邪気から生まれた異形は妖気型異形となる。(※4) ※1 他にも、救世主を意味する「セイバー」と呼んだり、「救世の~」と表することもある。 ※2 破邪の能力者は異形の天敵であり、命を狙われかねない。 また、異形を狩ることで生計を立てるもの、異形の力で金儲けをするもの、 果ては異端研究者にまで狙われるているので、 破邪の能力者はそれを隠していることが多い。 ※3 現在、聖都のオラフィロス教が破邪を1人だけ確認済み。 一部の情報屋の間では、彼についての情報が高値で取引されている。 ※4 ただし妖気型異形は人の姿形をしているので、 獣型異形を浄化した場合、どのような結果となるか不明。 -----------------------------魂の契り----------------------------- 人型種が特殊能力を発言する方法はいくつかある。 その中の一つ、特に異形の能力に最も近づく方法こそ、“異形との契約”である。(※1) 契約とは人型種と異形が、儀式により相互扶助関係を結ぶことである。 契約を結ぶ異形は妖気生まれでも、邪気生まれでも、人型でも獣型でもよい。 これにより人型種は「契約した異形に応じた特殊能力」と「契約した異形の放つ悪しき念への耐性」を得る。 そして異形は「契約時に要求したもの」と「契約者の限定的庇護(※2)」を得ることができるのである。 また、契約を交わした邪気生まれの異形は、契約者の命がある限り、彼らの感情からエネルギーを得ることが可能となる。 よって異形は自発的に、契約者を守るよう行動する。 ただし契約を交わしたからといって、異形の価値観が変わるわけではない。無碍に扱えば相応の結末が待っていることだろう。 双方の合意があって契約は初めて成立する。どちらかが拒否すれば契約は成立しない。 契約の儀式にはいろいろな方法があり、どの手段を用いたのかによって、契約者の得る能力や異形の能力に差が出る。 一番簡単かつ無難な儀式は「異形に名を付けること」である。 道程は千差万別ではあるが、決まって異形から契約者へ、ある要求をする。要求の内容は異形が決める為、個体や状況によって異なるだろう。 契約者がこれに応じることで契約は最終段階へ移行する。 この時の要求はすぐに果たされなくとも、異形側がそれを認めれば契約は成立する。 しかし達成できる場面になってそれを行わなかった場合、異形の意思とは関係なく、契約は破棄される。(※3) 儀式の最後に、契約者には大きな試練が待っている。 今から契約を交わす異形――その異形を構成する負の感情すべてを、契約者は呑み込まねばならない。(※4) これを呑み下せなかった場合も契約は不成立となり、それどころか契約するはずだった人型種の精神は破壊される。 “妖気型異形”との契約にこの工程はなく、異形の要求に応じた時点で契約が完了する。 ただし、妖気生まれの異形は感情エネルギーを受け取らない。(パワーアップすることはない) すでに異形と契約を交わしている人型種でも、他の異形と更に契約を結ぶことは可能である。 しかし邪気生まれの異形と契約している場合、供給される感情エネルギーが減ってしまう為、彼らは総じて契約の掛け持ちを嫌う。 供給量の減少は妖気生まれの異形と掛け持ちした場合にも起こる。(※受信はしないが発信はされてしまっている状態) 一人(あるいは一匹)の異形が同時に交わせる契約は一つだけである。契約者を掛け持つことは、異形にはできない。 ※1 この儀式および関係性の名称は学者によって異なる。此処では「契約」と表す。ほとんどの場合、邪気生まれの異形と契約することは忌避され、 私刑(リンチ)の対象となる。 ※2 契約時に取り決めた範囲に限定されるが、契約者には異形を守る義務がある。 例えば生き血を必要とする異形に血を分け与えるなど。 ※3 この場合、契約していた異形の怒りを買うことは覚悟しておくべきだろう。 ※4 この試練はほんの数秒の出来事だが、 契約者によっては数十分、数時間にも感じるという。 -------------------------------------------------------------------- 以上はすべて人型種からの視点である。 これより先は、異形側からの視点で、彼らや悪しき念を語る。 ----------------------------異形と通常種---------------------------- 邪気から生まれた異形のほとんどは人型種を「通常種」、あるいは「下等種」と呼ぶ。 これは自分たちの能力は優れたものであり、自身は特別な存在であるという自負から及んだものであり、人型種の魂から生まれたとしても、その価値観、倫理観はまったくの別物になっていることの表れである。 通常種(あるいは下等種)は異形種にとって、なくてはならない存在である。 何故なら彼らは邪気の源となる負の感情を生み出すから。 彼らは些細なことで他者を愛し、敬い、慈しみ――そして妬み、憎み、呪う。 その転換の頻度、規模は、共に原種のそれを上回る。(※1) 異形の多くが人を好んで喰らうのは、苦痛や恐怖から生まれた負の感情を、一度に大量摂取できるが故である。(※2) この為、人を喰う(喰った)異形は総じて強い力を持っている。 人を喰ったことのない異形はそうでない異形から「劣等種」、「下級異形」と呼ばれる。 ※1 原種はもともと負の感情を抱き難い。 また種類も悲しみと恐怖が主で、他はとても少ない。 余談だが、多くの異形は恐怖と憎悪を特に好むという。 ※2 これは異形にも同じことが言え、かつ異形は生来持っている邪気もある為、 “共食い”を好んで行う者も稀にいる。 ただし他の異形から目の敵にされるので、普通の異形以上に厳しい立場となる。 ----------------------------異形の格付け---------------------------- 異形にも格というものが存在する。 下から「下級」「中級」「上級」と存在し、その上は存在しない。また下級以下もない。 むしろそこまで貶められた者はもはや「異形ではないもの」として扱われる。 これらの格は異形が他の異形を呼称する際に用いる、あるいは自称するものであり、明確な線引きはない。よって後述するものは一般的な基準であり、例外も数多く存在する。 下級に分類される人型異形とそれ以上の異形の違いは“人を喰ったことがあるか否か”、この一点のみである。強さや種族は一切考慮されない。 先述したとおり邪気生まれの異形は人を喰うと力が増す。 また精神的にも“似た形をした生物を喰った”というのは特別な経験であり、多くの異形にとって一人前であることの証明となる。 「妖気型異形」と「獣型異形」は人を喰っても、人型異形からは下級として扱われる。 中級は“人を喰ったことのある人型異形”が分類される。 喰った数は関係なく、一人でも喰らえばそれだけで中級扱いとなる。 しかし半分以上のものは、自らを中級とは認めない。多くが上級を自称し、中級というのは他者を指して言う場合がほとんどである。 中級の中には人を喰わずとも生きられる者も多いが、中には定期的に人肉を口にしないと生命を維持できない者もいる。 自分以外の異形からも上級と呼ばれる者は、歴史上存在した者すべてを含めても、数えるほどしか存在しない。(※1) このクラスの異形は例外なく膨大な邪気を内包しており、本性を現した(本気を出した)際には目視できるほど濃い邪気「瘴気」を放つ。 また、自らの力を振るうことに消極的になるというのは、史上存在した上級異形の数少ない共通点である。(※2) 自他ともに上級と認めるような異形は人型種だけでなく異形からも恐れられる存在であり、多くの手下を引き連れている者も中にいる。(※3) 性格的にはあまり共通点は見受けられないが、格下の異形からは“変わり者”と認識されている者ばかりのようだ。 人型種と契約を交わした異形は、そうでない人型異形から「異形でも人でもないもの」、あるいは裏切り者として扱われる。 ※1 “楽園の原罪”に始まり、“聖樹の病”や“第八大山”、 “邪竜王”などがこれに分類される。 ※2 ある異形はこの状態に入ったことを「カンスト」と呼んでいた。 ※3 しかしその精神構造の違いから上級の異形は(他の異形にとって)気難しく、 長続きしない場合がほとんどのよう。 -------------------------------------------------------------------- PR |
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